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武田雄治さん(公認会計士)の先祖とは?

この記事を書くにあたって、書き出し(いわゆる話の枕)をどうしようかと、結構な時間迷い続けてしまい、本を読み終わってから、1ヶ月くらい経過してしまいました。

いいまくらが思いつかないまま、書き始めつつ、著者の武田雄治さんの紹介記事を読み直したところ、気になる経歴を発見しました。

黒字社長塾塾長(公認会計士)武田雄治(日本の社長)

こちらのプロフィールの「尊敬する歴史上の人物」という項目にご注目。

【武田信玄(先祖)】

「え!」それは、存じ上げませんでした。武田さんの勉強家ぶりとイノベーターぶり、そして、マルチなご活躍は、ご先祖譲りなのかもしれません。

「決算業務は、トヨタ生産方式で最適化できる」のではないか

本題に入ります。

武田さんが以前執筆された「決算早期化の仕組みと実務」も、私は読ませていただいていますが、そこで書かれていた、以下のフレーズが衝撃的でした。

「経理部は情報製造業である」

それ以来、私のない頭を絞って、決算の仕組みを理解しようと努めてきたのですが、本書を読んで、一つの仮説にたどり着きました。

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それが、「決算業務は、トヨタ生産方式で最適化できる」のではないか、ということです。

具体例を、本書から、抜粋・引用していきます。

・決算と監査のタスキリレー(未稼働時間をなくす)

→手待ちのムダをなくす

・単体決算・連結決算担当者と、開示担当者が完全に分断されている会社が多い

→バトンタッチ・ゾーンを作れ

・決算早期化を実現している会社は、当然のことながらスケジュール管理は徹底している。

→ジャスト・イン・タイム

・決算早期化を実現させている会社の大きな特徴として、本社以外の子会社・支店・工場・営業所等の指導・管理を徹底している

→協力会社等まで含めて、生産の同期化が図られるようにする

・決算担当者への分業体制・教育体制が整っている

→多能工化

・アウトプット資料が作成者しかわからないような形式である

→目で見る管理

・財務分析がなされているか

→自働化

等々といったところでしょうか。

なお、筆者の武田さんは、「決算業務のマクドナルド化」ということをおっしゃっています(こちら→「武田雄治さんインタビュー」もご参照ください)。

意味するところは、業務の標準化・シンプル化・単純作業化であり、非属人化であると思われます。

確かに、武田さんのおっしゃっていることは、全くご指摘の通りだと思います。しかし、専門職的な色彩が強い管理部門の中でも、一、二を争うくらい専門的な経理業務の担当者の方々は、プライドがお高いことが多く、「マクドナルド化」といってしまうと、その真意を理解してもらえるのか疑問が残る。また、その専門性ゆえに経営層に対しても「細かいこと言ってもわからないでしょ」とばかりに独善性に陥ることも多いことから(一般論です。経理担当者でも素晴らしい方は当然います)、業務の改善(決算早期化等)に協力してもらうには、一工夫も二工夫も必要なことが多い。といったことからすれば、真正面から、マクドナルド化といってしまうよりは、「経理業務へのトヨタ生産方式の適用」等といった方が、受容してもらえるのではないかと思った次第です。

こういったことを考えるのは、私が経理担当者ではなく、業務改善の協力を求める側だからかもしれませんね。

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武田雄治

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