このエントリーをはてなブックマークに追加

アメリカと日本で異なる内部監査の業務内容

「企業の業務には、どのようなものがあるか?」という問いに対しては、営業、製造、研究、購買、物流、店舗開発、総務、人事、法務、知財、経理、財務、IR(インベスター・リレーションズ)、経営企画等々いろいろな種類があるかと思います。

こういったメジャーな業務と比較するとマイナーな扱いになりますが、内部監査と呼ばれる業務があります。この内部監査という業務の内容が、アメリカと日本では大きく違っているのが現状です。

a0002_001042_m

かいつまんで言うと、

■アメリカ

・GEをはじめ、1990年代に大躍進した米国のエクセレント・カンパニーが 導入した経営手法

Internal Audit & Consulting(儲かる内部監査と社内コンサルティング)が主たる内容

・経営層は内部監査部門との密接なコミュニケーションを行い、その提言に基づいて経営判断を下す。現場任せの改善とは異なり、経営トップに現場が見える状態で、経営トップと現場が協力し、改善を行う。

・内部監査部門はどうすればより儲けられるか、あるいは問題を回避することができるかを常に考え、経営者に改革案を提言し、担当部門の収益を増やして初めて、成果をあげたとみなされる

■日本

・上場企業には、内部監査部門があるものの、内部統制やガバナンスといったものとの関係から、ないといろいろとマズイので、仕方なく設置している

・内部統制やガバナンスに関して、ステークホルダー(特に、株主と監査法人)に対して説明がつけばいいので、業務内容は、形式的で事なかれ主義が多い

・不正防止など監視色が強い

といったところです。

このような日米の対比を念頭に以下の記事を読むと、戦略構築に関する両国の巧拙と相まって、趣き深いです。

日本軍の失敗から何を学ぶのか?今後の日本を勝利に導く「3つの戦略」(ダイヤモンド・オンライン)

戦略としての指標は、会議室で概念論をこねくり回すだけでは生まれません。理由は、現実の中で機能する指標こそ探しているものだからです。

次に組織として重要なことは、「問題意識の高い人間を現場最前線にどれだけ多く、頻繁に送り込むことができるか」です。アンテナの感度が最高度に高い人間を、新戦略を生み出す可能性がある最前線の現場に送り出す。これはそこで営業をさせるというのではなく、現実の問題構造を見通す作業をさせるためです。

社長、重役が象牙の塔である本社や、製造工場に隣接する小ぎれいなオフィスにふんぞり返っている組織は、戦略発見能力があっという間に劣化し、大きな変化を乗り越えることはできないことになるでしょう。

「既存の業務を遂行する」ための組織ではなく、「新戦略を発見する能力がある組織」を目指す意識を持つことが何より大切です。問題意識の高い人間を現場最前線にできるだけ多く、それも頻繁に送り込む。銃声が鳴り響き、敵の大砲や戦艦、敵の戦闘機が目の前で縦横に飛び交う、容赦ないマーケットの超激戦区・最前線です。

アンテナの感度が最高度に高い人間を、新戦略を生み出す可能性がある最前線の現場に送り出す。この作業を継続することで、「新たな指標」である戦略を見抜く能力を養うのです。

問題意識の高い人間をどこに配置するか

日本の企業は、戦略立案を経営企画といった会議室で概念論をこねくり回す部署に考えさせます。また、感度の高い人間を最前線に送り出しますが、あくまで営業要員としてであり、問題発見のためではありません。社長、重役がオフィスにずっと居てもいいのですが、その場合には、超激戦区・最前線の状況を、誰かに見させて、報告させなければなりません。

必ずしも、アメリカ流の内部監査を導入する必要はないのかもしれませんが、導入しない場合には、以上のような問題に答え得る組織・仕組みを設置する必要がありますね。


関連記事

【本の紹介】ザ・ゴール 企業の究極の目的とは何か(エリヤフ・ゴールドラット ダイヤモンド社)
顧客満足と自己満足の違い
ニッポン企業全体が陥っている「低収益性問題」のヒント(高田直芳)