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アップルのCCC(キャッシュ・コンバージョン・サイクル)・キャッシュ化速度

アップルのスピード経営について、以前日経ビジネスオンラインの記事をネタにブログに書きました(アップルのスピード経営を支えるもの:SCM)が、今日のダイヤモンド・オンラインでも、アップルのCCC(キャッシュ・コンバージョン・サイクル)・「キャッシュ化速度」についての記事がありました。

アップルにあって民生電機3社にないもの(ダイヤモンド・オンライン)

iPhone 4 Polished

民生電機3社とは、言うまでもないのですが、パナソニック・シャープ・ソニーの3社です。

3社とアップルとの違いは、キャッシュ化速度にあるとして、アップルの特長を以下のように述べています。

具体的には、製品数の削減、自社工場の削減とODM(相手先ブランドによる設計製造)メーカーの活用による在庫の短縮、主要サプライヤーの削減(10024社へ)、PCの開発期間の短縮化、生産ロットの大規模化や発注精度の改善による部品メーカーとの取引条件の改善を断行した。

コストアップ覚悟で、製品を空輸する手法や、当初はキャッシュ化速度の改善にはつながらなかったが、その後大きな成果を生む自社小売店舗網への投資もユニークな戦略だった。

ちなみに、08年時点でアップルは全米第3位の家電小売り業となっている(1位はベストバイ、2位はウォルマート)。小売業は現金回収が早いのみならず、需要をコントロールできるというメリットがある。

サプライチェーン改革の要諦は、需要を正確に予測することであり、アップルは「デマンドチェーンの構築」という基本に忠実な戦略を断行した。

アップルが小売業としても巨大であるということは、最終消費者へ「何がどれくらい売れたか」という、生産者なら、のどから手が出るくらい欲しいデータが労せずして手に入るということですから、需要の予測(もはや需要の結果といってもいいでしょう)は、限りなく正確になります。

その結果、無駄なもの(売れないもの)は作らなくて済みます。

また、

アップルのように事業プロセス改革に成功したものの、その後、業績の低迷を余儀なくされた企業の代表例がデルである。

だからといって、ビジョナリーの個人能力に頼ることが難しい日本企業の現状では、「ロマン」に依存する戦略は機能しないだろう。まずは、「ソロバン」の改革、つまりキャッシュ化速度のアップにつながる事業プロセス改革を行うべきではないか。

「ソロバン」の改革は、単なる固定費削減とは異なる。キャッシュ化速度改革によって、既存の低成長事業からもフリー・キャッシュフローを生み出し、その原資を持って次のチャレンジを可能にするものである。

苦境からの復活を期すときに、何とかの一つ覚えのように、固定費削減を言い出すだけでは、不十分であり、キャッシュ化速度にこそ焦点を当てる必要性が理解できると思います。そして、キャッシュ化速度を上げるためには、自社の効率を上げるだけにとどまらず、関係会社全体を含めた効率化や流通改革が必要になります。

サプライチェーン全体の判断が必要ということです。

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