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元プロ野球選手の高校野球監督

明日から、第84回選抜高等学校野球大会(春のセンバツ)が始まりますね。今大会には、元プロ野球選手が監督をしている高校が出場します。監督の名前は、大越基(おおこし もとい)

福岡Yahoo!JAPANドーム

第71回全国高等学校野球選手権大会(夏の甲子園)で、仙台育英高校を準優勝に導き、その後早稲田大学へ進学するも、退部→退学。米カリフォルニアのサリナス・スパーズを経て、93年にダイエーに投手として入団。96年に野手へ転向するも、度重なるケガにより、03年オフに引退しています。

早大野球部退部や退学の経緯からは、「自分勝手」という評価が一般的であり、世間の評判は、あまりよくありませんでした。ダイエーから戦力外通告を受けたのも、首脳陣と衝突したのが原因と言われています。

引退後に、子どものころからの夢だった高校野球の指導者を目指し、東亜大学の2年次へ編入→保健体育の教員免許を取得後、07年に山口県の早鞆(はやとも)高校に赴任。09年に監督に就任し、3年で甲子園出場を果たします。

野球を本物にしたければ、人間性を本物にしろ

Close up 大越基「元プロ野球選手の“教えない流儀” 」早鞆高校監督(現代ビジネス)より引用します。

彼には、常に心がけている言葉がある。

「野球を本物にしたければ、人間性を本物にしろ。人間が本物にならなければ、野球も本物にならない」---。

「心が出来上がっていない子供たちに技術を教えても前には進みません。 技術指導をして、その日はできていても、3日経つと元に戻っているんです。それはなぜか。『ありがとう』という気持ちがないからです。だから、技術的なことを教えるのは2年目の途中からやめました」

地元は、元プロ野球選手の監督が就任3年目で達成した偉業に快哉を叫び、連日多数のマスコミが押しかけている。

「自分が甲子園に出場した時とよく似ているんです。 『調子に乗ってふわふわしてると、また早稲田の時のような失敗をするぞ』 『子供たちも自分と同じになってしまうぞ』と、野球の神様が教えてくれているんでしょうね」

チームが初めから強かったわけではない。就任時の野球部員はわずか12人。子供たちの「勝つ」意識も低かった。それでも大越は「自分のような選手にはなってほしくない」との思いで、精神面を鍛えることをひたすら実践した

2011年8月20日、彼は選手全員を引き連れ、甲子園の決勝戦の観戦に向かった。

「考えて考えて考えた上で出した答えでした。このタイミングで最高の舞台を見ないと、もうチームには後がない、と」

自身も、そこで初めて〝元プロ〟という意識を捨てることができたという。

「自分も、偉そうな監督を演じていたんです。そうして、甲子園に行けない理由を子供たちのせいにしていたんです。」

「正直、子供たちには勝たせてあげたい。でも、負けるならガツンと負けたい。できれば優勝候補校や名門校と当たって、0‐20とかのスコアで惨敗。 力の差を見せつけられて帰ってきたい。そのほうが子供たちの将来的にはいいんです」(引用終わり)

人間教育を重視の大越基監督

大越さんは、大越さんなりに、かなり苦労をされていたようですね。過去の言動から貼られた、「わがままな奴」というレッテルがプロ野球生活の最後まで自分を苦しめたようです。

その経験から、子どもたちには、自分のような思いをさせたくないようで、人間教育を重視されているようです。このあたりは、野村克也さんと重なりますね。

不遇をかこっているビジネスパーソンは、早鞆高校の試合を見れば、何か感じるものがあるかもしれません。

試合は、大会5日目の3月25日(日)・第3試合14:00開始予定です。


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