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2年前の今日、1月17日に小林繁さんがお亡くなりになりました。

小林繁さんと言っても、若い人にはピンとこないと思います。若かりし頃の明石家さんまさんが、小林さんのモノマネをしてブレイクのきっかけをつかんだのも遠い昔の話ですね。

最近読んだ記事で、小林さんは現役時代に「全体最適化」を意識していらっしゃたことを知りました。

産経ニュースより

(以下、引用です)

とにかく取材すればするほど、これまで私が持っていた“投手の概念”が根底から崩れていった。マウンドに上がった小林は投げる前に必ず数秒間、センターのスコアボードを見る。

「あぁ、あれね、この回に誰にヒットを打たせればいいかを考えているんだよ」

えっ、わざとヒットを打たせる?

「投手にとって一番さけたい状況は3、4番の前に走者を出すこと。逆に迎えたい状況は先頭打者が投手になること。どうやれば、そうなるかを考えたら、ときにはわざとヒットを打たせることもある」

こんなこともあった。ある試合で小林は下位打線の特定の打者に2安打、3安打と打たれた。主力打者はピシャリと抑えているのに、その打者には簡単に打たれた。初めは「相性の悪さ」だと思っていた。ところが…。

「完投する場合、必ず終盤に苦しいイニングがやってくる。ピンチに立ったとき仮にその打者に打順が回ってきたら、相手ベンチは“今日の小林とタイミングが合っている”と、代打を送らないかもしれない。そのとき本気で打ち取ればいいんだよ。野球はヒットの数を争うスポーツじゃないってことだよ」。

(引用終わり)

先発ピッチャーの仕事(成果)は、試合に勝つことだとすれば、ヒットを何本打たれても重要ではないわけです。ここまで深く考えているピッチャーは現役選手に何人いるのでしょうか?物事の本質を見極めて、仕事に活かしたいものですね。