ピーターの法則とは?
ピーターの法則は、もともとは、組織構成員の労働に関する法則です。
能力がある人間が出世する社会組織においては、人は能力の限界まで出世し、能力的にはそれより上に上がれないという地位までいくと出世が止まります(理論的には)。
したがって、組織の中のあらゆる地位は、職務を果たせない無能な人間で占められる、というものです。
すべての個人はその人の「無能レベル」にまで昇進・昇格し、やがて行き止まりにぶつかる
階層社会において、原則的には、すべての人は現在の地位で有能だったなら昇進・昇格されることになります(上司や経営層の覚えがめでたくないと出世できないという例外はあるかもしれませんが…)。また昇進・昇格を繰り返していくと、やがて昇進・昇格した地位に見合った職務を遂行する能力が無くなり、当然それ以上は昇格しません。
つまり、すべての個人はその人の「無能レベル」にまで昇進・昇格し、やがて行き止まりにぶつかることになります。そうすると、行き止まりにいる人間は、その地位の能力がないわけですから、あらゆる地位は、職務を果たせない無能な人間で占められます。
企業は能力ある人間が出世をする典型的な階層社会であるといえます。よほど気を付けていないと、無能な人間だらけの集団に成り下がる恐れがあります。無能な人を有能にするには、
・その人が能力を発揮できるところまで、地位を下げる
・地位に見合った能力を身に着けてもらう
のいずれかしかありません。
やはり、絶えず人材教育を行うことが企業の発展にとって重要であるといえます。
企業社会を始めとする階級社会は、無能な人々であふれています。
例えば、工場勤務の優秀な職人が出世して管理職になると、これまで得た技術が新しい仕事に役に立ちません。
あなたのまわりにも、職位は上の方なんだけど、「なんでこの人がこの立場にいるのか?」と納得がいかない人がいるのではないでしょうか。もしかして若いころは優秀だったのかもしれません。
でも、いまは出世街道の終着点にいて、職務を遂行する能力がなくなっているのかもしれません。
そんな人に対して文句を言ってみても何も始まりません。
腹を立てずに、「この人がピーターの法則の体現者だ」と思って、接するのが一番です。
「無能な人」が引き起こしている、がっかりさせられる事態
また、ピーターの法則は、当然ながら一般企業以外の階級社会にも当てはまります。
学校、官公庁、マスコミ果ては検察組織まで、非常にがっかりさせられる事態が起こっているとすれば、それは、「無能な人」が引き起こしているのでしょう。他人(無能な人)に対しては、文句を言わず、寛容に接するとしても、ビジネスパーソンは、自分の無能さに対して、寛容であってはなりません。
常に、今の地位が自分にとって見合ったものであるのか、さらに上のレベルに上がった時に、必要とされる能力・スキルはいつごろ身に着けられるかなどを考えておくべきです。
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