このエントリーをはてなブックマークに追加

伊藤Pことテレビ東京プロデューサーの伊藤隆行さんの著書です。

伊藤Pのモヤモヤ仕事術 (集英社新書)伊藤Pのモヤモヤ仕事術 (集英社新書)
伊藤 隆行

集英社
売り上げランキング : 24318

Amazonで詳しく見る

いわゆる業界人っぽい感じで、本の中身が「スカスカ」かと思いきや、文章のタッチこそ軽いものの、書いていることは至ってまともです。会社員の心構えとしては、「王道」といってもいいくらいです。

特に、テレビ東京は、「局が誕生して以来、視聴率の世界でずっと最下位をキープしている、唯一無二のテレビ局」という弱者中の弱者な立ち位置なので、伊藤Pは、局の特徴というか、アイデンティティというか、そういったものをものすごく考えて、仕事をしている様子が、書かれています。

構成としては、全6章のうち、1~5章までは、前半で、伊藤Pの仕事をする上での心構えや考え方などが書いてあり、後半で、伊藤Pと仕事をともにした方々の証言が書かれています。

証人と証言は、以下のような感じです。

第1章 大江麻理子アナウンサー

●伊藤Pは、「間違いなく、人たらしですね」←いい意味で

第2章 さまぁ~ず

●「それこそ技術さんにも声かける人だから、伊藤君はあんまり嫌われないだろうね。」「伊藤君がいるといないとでは、ムードが違う」(大竹さん)

●自然体で攻めている(三村さん)

第3章 大橋未歩アナウンサー

●「野村再生工場」または、「ウディ・アレン」 「私がテレ東にい続けようと思ったのは、伊藤さんの存在も大きいです。」

第4章 放送作家 北本かつらさん

●「伊藤さんはサラリーマン金太郎」

第5章 テレビ東京制作 社長 近藤正人さん(伊藤Pの元上司)

●いい意味でバカができる奴

以下、本の中にある、ビジネスパーソンが参考にできる考え方を抜粋しておきます。

・弱いやつがいかに勝つかを考える。弱者は、強みを活かすべきだ。

→モヤモヤさまぁ~ず2は、テレ東お得意の「旅番組」に準じた手法

・「局の後輩やスタッフ、周りの意見を全部丁寧に聞いてくれます」(大江アナ)

・部下が気持ちよく働いてくれさえすれば、かなりOK。

→「人の上に立つものは、媒介であれ」、「部下のために死にまくれるのが、プロデューサー」

・僕が今、それなりに他人のことを慮って(おもんぱかって。配慮してくらいの意味)、気持ちよく仕事をしてもらうことに気を遣うのは、あの孤独(チーフADという中間管理職での体験)を経験したから

・気を配れることの根っこには、感謝があります。

・僕が会社で一番気になるのは、「ありがとう」ひとつ言えない人。

・裏方の仕事をしている部署は、会社の花形部門のことをあまり面白く感じていないはず。会社の仕事として裏方部門は必要なわけで、あえてサポートする側に回っているもの。そんな気持ちすら分からない人は、番組を作ってはいけません

→例えば、「俺たち営業が食わしてやっているんだ」という内心が透けて見える人間は、絶対に嫌われています。

・視聴者目線で考える

→「顧客」からスタートする(このあたりもそうですが、伊藤Pの仕事術はドラッカーを彷彿とさせます)

それから、どうでもいいことですが、大江麻理子アナが達筆なのを初めて知りました。