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ビジネスパーソンの視野を広げる格言

「武士道」(新渡戸稲造)の緒言にて、ウィリアム・エリオット・グリッフィスが述べた言葉です。(余談ですが、緒言が書かれたのが、1905年5月ですから100年以上前ですね!)

William_Elliot_Griffis_and_class

もともとは、比較こそが学問と教養の生命であり、言語、道徳、宗教、礼儀作法の研究に関しての文脈で述べられています。

しかしながら、現代のビジネス社会の中での文脈でとらえてみても、とても示唆に富む格言だと思われます。

・自分の経験のみに拘泥して、考え方を押し付ける

・レアケースの成功事例を普遍的なもののように扱う

・時代背景が違うのに、過去の方法を部下にやらせる

・自分の部署、自分の都合でしか物を考えず、会社全体を見る発想がない

等々です。

最近のネット上の記事でも、この格言の発想が妥当するものが散見されます。

例えば、安倍政権が経済のグランドデザインを策定する際に、多様な専門家の知恵に着目すべきというものがあったり、

参加する専門家には社会科学系だけでなく、人文科学系の人たちも欠かせない。優れた経済専門家が知恵を出しても今日の惨状を招いたのであれば、今後の日本や世界が向かう方向はひょっとすると、文学や哲学、あるいは歴史学などの人文科学によってしか示されないのかもしれない。(アベノミクスは何を目指すか? 直ちに必要な「経済再生5ヵ年計画」・ダイヤモンドオンライン)

イノベーターになるために「違うものに触れる経験が必要」というものがあったりします。

ある分野についての知識や技術を持つことは大事ですが、一つのことだけをずっとやっていると、それについてはよく知っているけれども、発想が広がらない。何となく煮詰まってしまう経験は誰にもあるでしょう。また、問題に直面すると、誰でも今までの経験や知識で判断しようとします。すると、これまでとは全然違う状況に置かれたり、違う分野に足を踏み入れると、途端に判断基準を失って、途方に暮れることになります。(第5回 「あいつに任せれば何とかなる」という人材を育てる。若手は「あいつ」になれ・日経BPネット)

ビジネスパーソンとして、視野を広げる、発言に重みを持たせる、懐を深くする、 といった意味で覚えておきたい格言です。

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