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野村克也さんの薫陶を受けた橋上秀樹さん

野村克也さんの薫陶を受けた橋上秀樹さんの本です。

橋上秀樹 (Wikipedia)

一流になるヤツ、二流で終わるヤツ―しのぎを削る野球界で見た「伸びるヤツ」の条件 (日文新書)一流になるヤツ、二流で終わるヤツ―しのぎを削る野球界で見た「伸びるヤツ」の条件 (日文新書)

橋上 秀樹

日本文芸社

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一昨年務めていた新潟アルビレックス・ベースボール・クラブ監督時代の話を中心に、プロ野球の選手・コーチの経験も交えて、伸びていくのはどんな人間なのか、どんな考え方を身に着けさせれば人は伸びていくのかをとりあげています。

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以下、印象的なフレーズを抜粋します。

・戦略、戦術を自分たちで考えることで取り組み方が変わる

・野球だけがうまくても一流にはなれない

・技術より内面的な変化が選手を大化けさせる

・勝敗を最後に左右するのは「人間性」である

・人間的な成長が野球技術の向上につながっている

・謙虚に、そして自分で判断するヤツが伸びる

・生半可な知識や経験が成長の邪魔をする

・自分より能力のある人間を認められるヤツは伸びる

・指導者は結果よりプロセスを重視する

・失敗を責めなければ、勝負強くなれる

こうしたフレーズを読み直していると、以前書いたリーダーシップ3.0的な発想が随所に見て取れますし、また技術指導に勝る人間教育、あるいは戦略よりも精神性という考え方がスポーツ界でも、ビジネス界でも、やはり重要なのではないかと思います。

野村克也さんの薫陶を受けた橋上秀樹さん

一昨日の大阪スポーツに、パワハラ問題に揺れる日本柔道界に関するこんな記事がありました。

ある他競技関係者から「柔道がナショナルトレセンを使用すると、施設が毎回汚れる。何度クレームをつけても変わらなかった。こういう小さなことでも、対応をしっかりすることが大切だと思う」

柔道界も人間力を高めることが必要

私がチームと提携している長岡のスポーツクラブに行った際、たまたまクラブの会員の方とお話しする機会があったのだ。(中略)「選手たちの態度が以前とはまったく違うんです」と言うではないか。実は私が就任する前の新潟の選手たちは、トレーニングに来ているのにも関わらず、選手同士で談笑していたり、使用した器具を散らかしたり、器具についた汗を拭いたりすることもなく、そのままトレーニングルームを後にしていたらしい。そのうえ、トレーニングに使用する風呂場でも風呂桶などの備品を散らかしたままにしていたこともたびたびあったという。

ところが、私が就任した時期を境に、周囲の人の迷惑になるような行動は一切せずに、クラブの会員の方に「こんにちは」と笑顔であいさつするようになった。風呂場でも当然、整理整頓をして、紳士的な振る舞いをしていると会員の方は笑顔で話していた。(中略)なぜ、彼ら選手は、こんなにも変わったのだろうか。それは私が監督就任してから常に、「野球選手である前に、一人の社会人として恥ずかしくない人間になりなさい」と、人間教育をしてきたからだろう。

人間力を高めることなしに、柔道界の失地回復はありえないと個人的には、思っています。


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