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史上最年長の400号ホームラン

プロ野球・東北楽天ゴールデンイーグルスの山﨑武司選手が史上最年長で400号ホームランを打ちましたね。

楽天山﨑最年長400号 雄星に愛の一撃(日刊スポーツ)

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彼は、若いころも実力のあるいい選手でしたが、多少苦労したこともあり、数年前までは、引退の一歩手前を彷徨っていました。

しかし、東北楽天の監督が野村克也さんになり、彼から薫陶を受けたことにより、文字通り生まれ変わりました。それが、4年前の39歳でのホームラン・打点の二冠王という素晴らしい記録の原動力になりました。そして、今回は、史上最年長で400号ホームランです。

では、彼は何が変わったのでしょう。野村監督は何を伝えたのでしょう。詳細は、野村さんの「野村再生工場」や山﨑さんの「野村監督に教わったこと」といった本に書いてありますが、一言でいえば、「考え方を変えた」ということです。

内容は、野球のことではありますが、ビジネスパーソンにとっても実に示唆に富む内容が含まれています。以下、山﨑武司「野村監督に教わったこと」に収録されている特別寄稿より抜粋します。

山﨑武司が野村監督に教わったこと

私が山﨑にアドバイスしたことは、多くはありません。「考え方を変えれば、生まれ変われる」「もっと頭を使えないか?」ということくらいです。

前者は、インドのヒンズー教の、「心が変われば態度が変わる、態度が変われば行動が変わる、行動が変われば習慣が変わる、習慣が変われば人格が変わる、人格が変われば運命が変わる、運命が変われば人生が変わる」という教えを一部改良したものです。

(中略)

人間は他人の評価でしか生きられない。私は選手に対して、次のような話をして、人間教育を行います。

「30歳を過ぎたら、引退後のことを考えて生きろ。一般社会で30代、40代と言ったら、脂が乗り切ったいちばんいい年代だ。出世の早い人は部長や課長になり、組織の中でバリバリ仕事をしている。

それなのに、野球選手は現役を引退して、失業してしまう。そのことをよく考えろ。クビになってから慌てたって遅い。

(中略)

私は処世術や良好な人間関係をつくることが全然できません。選手には、「礼儀正しくしろ、秩序、ルールを守れ」と言っていますが、私にはできません。

それで私が苦労してきましたから、「人として最低限どうあるべきか考えろ」「野球選手である前に、社会人だ。人間学、社会学を勉強しろ」と言うわけです。

野球選手は子供のときから野球しかしてきていません。組織の中に入って揉まれてもいません。野球界は実力の世界ですから、力がある間は向かうところ敵なし、恐いものもなく、周りからはチヤホヤされます。

そのため、間違った方向に行きやすいのです。しかし、人生は引退してからが長いのです。野球をやめてから間違った方向に行かないためにも、人間教育をするのです。

私たちも、他人の評価を常に意識して、謙虚に事にあたりたいですね。

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